いま、何か一曲かけてやるよと言われれば、
迷わず『スローなブギにしてくれ』と答えるだろう。
声がふるえなければいいが、と思いながら。
No.6
2010/08/13 (Fri) 22:31:46
8月12日。今日はタイの国民の休日だ。王妃の誕生日であり、この国の母の日とされている。
一週間ほど前から街じゅうのデパートやショッピングセンターでは「Thanks, Mam」などの横断幕やのぼりが掲げられ、母の日のギフト商戦が展開されていた。その様子は日本とまったく変わらない。
午前9時。いつもより、ちょっと遅めの起床。昨夜買ったソーセージをレンジで温め、薄っぺらいパンでくるんで食べた。やたら苦いコーヒーにも最近ようやく慣れてきたようだ。日本にいるときには自分で豆を挽き、毎朝それを煎れることが楽しみだったのだが。
タイではインスタントコーヒーが主流であり、いわゆるレギュラーコーヒーはあまり売り場に置いていない。あっても高いのだ。とても手が出ない。まあインスタントコーヒー自体もここでは高価な食品なのだがコーヒー好きの僕はどうしても我慢することができない。よって生活必要経費に組み込んでいるわけだ。
しかしタイのインスタントコーヒーは香りこそソレっぽいが、やたら苦みの強いシロモノで、しかも僕はブラック党。最初は顔をしかめて飲み込んでいた。しかし‥‥今じゃなんだか美味しく感じてしまうのは何故だろう。人間ってけっこう順応性が高いんだなぁ‥‥なんて思いつつも、真相は僕の舌音痴にあるのかも。スカしてウンチクをたれるほうなのだが、実のところ、何でも平気だったりする。
午前中はメールをチェックしたり、その返信をしたりであっという間に過ぎてしまった。
正午から昨日の取材の原稿を書きはじめる。締め切りは来週の月曜なのに、今日はまだ木曜日。なんて優等生なんだろう。日本でもこんなふうに仕事しておけばよかった。
しかし原稿に着手する前は「なんてことない」と思っていたけれど、やり始めたらこれが結構ムズカシイ。決して高度な筆力を求められるような内容のものではないが、なんだかやりづらい。僕自身のパーマ体験記なのに何故こんなに進まないのだろう。初めての仕事であるからなのか。慣れていない、ということは怖い。媒体自体の特性に合った言葉が出ず、表現が浮かばず、文体が組めないのだ。おいおい、萎縮してんのか?
何度も書き直し、読み直し、また書き直しを繰り返した。気がつくと窓の外にはバンコクの黄昏が降りはじめている。時計を見ると17時半。嘘だろ?こんなものに半日もかかってるのか! そういえば昼飯も食ってない!
愕然としながらやっと書き上げた。しかし、こういうのって少し時間を置いてからもう一度読み返してみないと、本当の文章校正にはならないんだよな。昂ったテンションを一回下げてからでないとダメな部分が見えてこない。真夜中に書いたラブレターを翌日の朝に読み返したら赤面してしまうように、インターバルがなけりゃマズいことになる恐れがある。
そこで少し時間を置くべく記事以外の店舗のスペックやら何やらをまとめはじめた。指定されたテンプレートに記入していくだけの作業なのだが、記入法のルールが細かく、やはり慣れていないのでなかなか進まない。結局それから一時間くらいかかってしまった。
最後に恐る恐る本編の記事を読み返してみたが、まあ何とか大丈夫だろうという結論に達し、ようやく先方の担当者にメールした。やっと終わった。ぐったり疲れた。どうしたんだ、オレ。
夜はH氏からの誘いがあり、二人で食事に。シーロムの奥のそのまた奥の方角へと車で連れられ、とことんローカルな店に到着。ここは中華系タイ人が多いエリアだ。タイ料理と中華料理が折衷された魚の雑炊をオーダー。うまい。こんなものがあるのか、と感嘆した。
そして出会ってまだ一週間足らずのH氏だが、ありがたいことに僕に仕事のネタを持って来てくれたのだ。「まだまだ明確な発注ではないが、なんとか具体的なものにしていこう」「ぜひお願いします」
お互いの意志を統一し、食事が終了。
23時半頃、帰宅。
部屋の明かりをつけると、デスクの上が今日の格闘を物語っていた。散乱した資料、吸い殻が山になった灰皿、疲れ果てたiMac。
その光景を見て思った。初心忘るべからず。そう。かつての初心を忘れた挙げ句が現在の僕の姿なのだ。
もう一度、初心へ。今日を忘れることなく生きていこうと思う。
失敗は成功の母だ。そして初心こそ未来を生んでいく母なのだから。
そういえば、今日はタイ王国の母の日だっけ。
一週間ほど前から街じゅうのデパートやショッピングセンターでは「Thanks, Mam」などの横断幕やのぼりが掲げられ、母の日のギフト商戦が展開されていた。その様子は日本とまったく変わらない。
午前9時。いつもより、ちょっと遅めの起床。昨夜買ったソーセージをレンジで温め、薄っぺらいパンでくるんで食べた。やたら苦いコーヒーにも最近ようやく慣れてきたようだ。日本にいるときには自分で豆を挽き、毎朝それを煎れることが楽しみだったのだが。
タイではインスタントコーヒーが主流であり、いわゆるレギュラーコーヒーはあまり売り場に置いていない。あっても高いのだ。とても手が出ない。まあインスタントコーヒー自体もここでは高価な食品なのだがコーヒー好きの僕はどうしても我慢することができない。よって生活必要経費に組み込んでいるわけだ。
しかしタイのインスタントコーヒーは香りこそソレっぽいが、やたら苦みの強いシロモノで、しかも僕はブラック党。最初は顔をしかめて飲み込んでいた。しかし‥‥今じゃなんだか美味しく感じてしまうのは何故だろう。人間ってけっこう順応性が高いんだなぁ‥‥なんて思いつつも、真相は僕の舌音痴にあるのかも。スカしてウンチクをたれるほうなのだが、実のところ、何でも平気だったりする。
午前中はメールをチェックしたり、その返信をしたりであっという間に過ぎてしまった。
正午から昨日の取材の原稿を書きはじめる。締め切りは来週の月曜なのに、今日はまだ木曜日。なんて優等生なんだろう。日本でもこんなふうに仕事しておけばよかった。
しかし原稿に着手する前は「なんてことない」と思っていたけれど、やり始めたらこれが結構ムズカシイ。決して高度な筆力を求められるような内容のものではないが、なんだかやりづらい。僕自身のパーマ体験記なのに何故こんなに進まないのだろう。初めての仕事であるからなのか。慣れていない、ということは怖い。媒体自体の特性に合った言葉が出ず、表現が浮かばず、文体が組めないのだ。おいおい、萎縮してんのか?
何度も書き直し、読み直し、また書き直しを繰り返した。気がつくと窓の外にはバンコクの黄昏が降りはじめている。時計を見ると17時半。嘘だろ?こんなものに半日もかかってるのか! そういえば昼飯も食ってない!
愕然としながらやっと書き上げた。しかし、こういうのって少し時間を置いてからもう一度読み返してみないと、本当の文章校正にはならないんだよな。昂ったテンションを一回下げてからでないとダメな部分が見えてこない。真夜中に書いたラブレターを翌日の朝に読み返したら赤面してしまうように、インターバルがなけりゃマズいことになる恐れがある。
そこで少し時間を置くべく記事以外の店舗のスペックやら何やらをまとめはじめた。指定されたテンプレートに記入していくだけの作業なのだが、記入法のルールが細かく、やはり慣れていないのでなかなか進まない。結局それから一時間くらいかかってしまった。
最後に恐る恐る本編の記事を読み返してみたが、まあ何とか大丈夫だろうという結論に達し、ようやく先方の担当者にメールした。やっと終わった。ぐったり疲れた。どうしたんだ、オレ。
夜はH氏からの誘いがあり、二人で食事に。シーロムの奥のそのまた奥の方角へと車で連れられ、とことんローカルな店に到着。ここは中華系タイ人が多いエリアだ。タイ料理と中華料理が折衷された魚の雑炊をオーダー。うまい。こんなものがあるのか、と感嘆した。
そして出会ってまだ一週間足らずのH氏だが、ありがたいことに僕に仕事のネタを持って来てくれたのだ。「まだまだ明確な発注ではないが、なんとか具体的なものにしていこう」「ぜひお願いします」
お互いの意志を統一し、食事が終了。
23時半頃、帰宅。
部屋の明かりをつけると、デスクの上が今日の格闘を物語っていた。散乱した資料、吸い殻が山になった灰皿、疲れ果てたiMac。
その光景を見て思った。初心忘るべからず。そう。かつての初心を忘れた挙げ句が現在の僕の姿なのだ。
もう一度、初心へ。今日を忘れることなく生きていこうと思う。
失敗は成功の母だ。そして初心こそ未来を生んでいく母なのだから。
そういえば、今日はタイ王国の母の日だっけ。
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HN:
Iwao Matsumoto
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男性
趣味:
創作と観賞 料理 ANNA
自己紹介:
厄年とはいえ、自業自得のミスで会社が倒産。初めて知った世の中の厳しさにもがきながら、新天地をタイ・バンコクに求めた男。日本で失敗した中年男が激動のバンコクでどこまでやれるのか? デザインやら何やらといった得意分野は果たして通用するのか?
決して焦らず、しかし着実なスピードで、一歩一歩進んでいきたいと思う今日この頃。善くも悪くも希代のロマンチスト。
決して焦らず、しかし着実なスピードで、一歩一歩進んでいきたいと思う今日この頃。善くも悪くも希代のロマンチスト。
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